CSRと会社法 2

CSRと会社法 1 CSRと会社法 2(本記事) 法律上,株主の利益とステークホルダーの利益をどのようにバランスをとることとなっているのでしょうか。株主とステークホルダーの利益が対立するような場面で,会社がステークホルダーを利するような決断を行うことは許容されるのでしょうか。   残念ながら法律や判例上に明確な基準や回答がある訳ではありません。しかしながら,アメリカの判例法理では,徐々に株主優位の原則の考えに変化が認められます。   ・Dodge v. Ford Motor.Co.(1919年...

新型コロナウイルス禍における株主総会開催に関する考察

4月16日,新型コロナウイルスの蔓延を受け,新型インフルエンザ等対策特別措置法(以下「特措法」)に基づく緊急事態宣言及び緊急事態措置の対象地域が日本全国に拡大されました。5月に入ってからも延長される等しており,6月の定時株主総会の頃に日本と世界の状況がどうなっているかは分かりません。  ...

CSRと会社法 1

先日,京都文教大学にて,長年CSRの研究をされている島本晴一郎教授のお話を聞く機会がありました。 近年におけるCSR(企業の社会的責任)の世界的潮流について大変興味深いお話でした。法律家としても,CSRを考える良い機会となりましたので,企業とCSRの関係を考えたいと思います。 そもそもCSRとは? CSR(企業の社会的責任)という概念は,一般的に以下のような説明をされます。...

台湾における営業秘密の保護

台湾における営業秘密保護の重要性 今回のコラムでは,台湾企業とNDAを締結する日本企業のため,台湾において活動する日本企業のために,台湾における営業秘密の保護に関する法制度について解説します。 台湾においては,日本との比較において,優秀な人材であればあるほど,より良い条件を求めて転職する傾向にあるということが指摘されています。離職率が高いということは,それだけ企業側は営業秘密の流出に気をつけなければないということです。...

インターナショナルスクールと経済

前回のブログでは,インターナショナルスクールとその法的地位を説明しました(前回ブログ インターナショナルスクールと法)。前回のブログで述べた通り,現在では,日本でもインターナショナルスクールの出身者に対して広く高等教育への進学の機会が与えられています。しかし,インターナショナルスクールの学校としての地位は,学校教育法第1条に規定されたいわゆる「1条校」と比べて不安定なものです。  ...

インターナショナルスクールと法

昨今の英語教育の低年齢化の波から,子を小学校からインターナショナルスクールに通わせたい,国際的な水準の教育を受けさせたいとの希望される方も多いと思います。学費や学校の評判なども当然考慮しなければなりませんが,インターナショナルスクールについては法律上の扱いについても考慮が必要となります。 そもそもインターナショナルスクールとは何なのでしょうか。一般の公立または私立の学校とは異なるものなのでしょうか。弁護士の視点から考察します。 法律上は「各種学校」の扱い...